既婚者に既婚を隠されて交際した方へ(貞操権侵害)

貞操権侵害

貞操権とは,性的な関係を結ぶ相手を自分で選ぶ権利のことをいいます。

婚活アプリや街コンなどによって,相手の素性を深く知らずに男女が出会えるようになったことに伴い,貞操権侵害の問題が増加しています。

婚活アプリ等で出会った相手が既婚者であるにも関わらず,そのことを隠され,あなたはその相手を独身と考えて交際していた場合,貞操権侵害を理由に慰謝料請求ができる場合があります。

貞操権侵害が認められる場合

貞操権侵害による慰謝料請求が認められるためには,ただ単に既婚者であることを隠されて交際していただけでは足りないとされています。

具体的には,単に既婚であることを告げないだけではなく,独身であることを前提に,結婚するつもりがないのに結婚するつもりであると偽り,騙された結果,肉体関係を持つことが必要です。

ただし,実際に慰謝料請求が認められるかどうかは具体的な事情次第であり,交際に至った経緯や,双方の年齢,交際中のLINE等によるやり取りの内容など,さまざまな事情を総合的に考慮して決まります。

そのため,既婚者であることを隠されて交際していたことが判明し,慰謝料の請求をしたいと考えている方はまずは法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

貞操権侵害の慰謝料の相場

貞操権侵害の慰謝料は,一般的には50万円~300万円程度が相場といわれています。

実際には,双方の年齢や,交際に至った経緯,交際期間,相手方の嘘の内容,相手方の対応,女性が妊娠したかどうか等の個別具体的な事情を総合的に考慮して決まります。

既婚者であることが判明した場合

交際している相手方が既婚者であると判明した場合には,あなた自身のリスクを回避するためにまずは速やかに交際を終了するのがよいでしょう。

なぜなら,交際している相手方が既婚者ということは,相手方は不倫をしていることになり,相手方の配偶者からあなたが不倫の相手方として不貞の慰謝料請求をされるリスクがあるからです。

弁護士に依頼するメリット

あなたが交際している相手方に既婚者であることを隠されていた場合には,貞操権侵害を理由に慰謝料を請求できる場合がありますが,そのためには貞操権侵害が認められるかどうかを的確に判断しなければなりません。

また,実際に相手方に慰謝料を請求するにも,自ら行うには精神的な負担も大きいと思われます。

弁護士に依頼をすることで,法的に貞操権侵害が成立するかどうかの見通しを立てることができますし,また,弁護士があなたの代理人として相手方に請求することになりますので,あなたが直接交渉することで時間や労力を使うことや,相手の態度等により余計な心労を重ねることも回避できます。

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