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パワハラとは
パワハラとは，パワーハラスメントのことであり，法律上は，
- 優越的な関係を背景とした言動があること
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること
- 労働者の就業環境が害されていること
の３つの要素を満たすものをいいます。
そのため，客観的にみて，業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については，パワハラにあたらないことになります。
パワハラの具体例
パワハラには，次の６つの類型があります。
- 身体的な攻撃（暴行・傷害）
殴る，蹴るなどの暴行や，物を投げつける等が該当します。 - 精神的な攻撃（脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言）
人格を否定するような言動を行ったり，必要以上に長時間にわたって厳しい叱責を繰り返し行う，同僚の面前で大声で叱責をする等が該当します。 - 人間関係からの切り離し（隔離・仲間外し・無視）
一人だけ別室に席を移される，集団で無視をされる，自宅研修をさせられる等が該当します。 - 過大な要求（業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害）
長期間にわたって過酷な環境下で業務に直接関係ない作業を命じられる，新卒者に対して教育を行わないまま高度な業績目標を設定し達成できないことに対して厳しく叱責する等が該当します。 - 過小な要求（業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと）
管理職である労働者を退職させるためにあえて誰でも遂行可能な業務を行わせることや，嫌がらせのために仕事を与えないといったこと等が該当します。 - 個の侵害（私的なことに過度に立ち入ること）
交際相手について執拗に尋ねる，職場外の行動を監視する，私物の写真撮影をする等が該当します。
セクハラとは
セクハラとはセクシャルハラスメントのことであり，法律上は，職場において行われる性的な言動であって，労働者がその労働条件につき不利益を受け，又は労働者の就業環境が害されるものをいいます。
セクハラの具体例
- 性的な内容の発言
スリーサイズを聞く，卑猥な冗談を言う，性的な経験について質問する，体調の悪そうな女性に「今日は生理か」などと言う，「男のくせに根性がない」などと言う等の行為が該当します。 - 性的な行動
食事やデートにしつこく誘う，性的な内容の電話をかけたりメールを送る，身体に不必要に接触する，女性であるというだけでお茶くみを強要する等が該当します。
その他のハラスメント
パワハラ・セクハラの他にも，妊娠出産等を理由に不利益な取り扱いや嫌がらせ等を受けるマタハラ（マタニティハラスメント），倫理や道徳に反して無視されたり嫌味を言われたり嫌がらせを受ける等のモラハラ（モラルハラスメント）なども職場においては問題となります。
ハラスメントを受けた場合
あなたがパワハラ・セクハラなどのハラスメントを受けた場合には，加害者に対して慰謝料の損害賠償請求をすることができるほか，会社に対して職場環境の改善を求めることもできます。
また，場合によっては会社に対しても損害賠償請求を行うことができます。
弁護士に早期に相談するメリット
ハラスメントを受けた方の中には，自分が仕事ができないから仕方ないなどと無理に自分を納得させて一人で問題を抱え込んでしまう方もおります。
しかし，それでは自分だけつらい思いをし続けるのみであり，何の解決にもなりません。
ハラスメントについては，それがハラスメントに該当するかを判断しなければなりませんが，弁護士に相談することで，ハラスメント該当性について検討し，今後の方針について見通しを立てることができるようになります。
なにより，自分一人で問題を抱え込んでしまうこともなくなります。
そのため，ハラスメントでお悩みの方は，一人で悩まずに，当事務所にお気軽にご相談ください。
